「この味がいいね」と君が言ったから 七月六日はサラダ記念日。 ・・・・・ 俵 万智
知らない人がいないほど広く知られるようになったサラダ記念日。この本は短歌集というジャンルを超えて売れに売れた本である。(私の若い頃)
今回図書館で借りた本「一首のものがたり」という本は、短歌が生まれるときを作者のインタビューなどを通して明らかにした本で、私はこの本で「サラダ記念日」の生まれる経緯を知ることが出来た。
歌人、俵万智氏は大学(早稲田大学)を卒業後神奈川県立橋本高校に勤務していた時に、教室に授業をするために向かう廊下を歩いて、図書室の角を曲がろうとした時に「あ、サラダ記念日!」と一首に入れようとしていた「サラダ」と「記念日」の二つのピースが結びつき、急いで図書室に駆け込み手帳に「この味がいいね」と君が言ったから、七月六日はサラダ記念日 の一首を書き込んだのだそうだ。
しかし、もともとは「サラダ」でなくて「鳥のから揚げ」だったのだそうで、後楽園球場に当時のボーイフレンドと巨人×広島戦を見た時に、作って持って行ったカレー味の鳥のから揚げを「美味しい」と褒められ「やった!!」と思い「カレー味のからあげ 君がおいしいと言った記念日 六月七日。」と作りそのあと「カレー味がいいね」と君が言ったから、今日はから揚げ記念日とする」などと改作を繰り返していたのだという。から揚げは歌にならないとサラダに変え、サラダのSと七月のSが音でもいいなどと考えていた時に、まさに図書室の角を曲がったのだった。その瞬間に「サラダ記念日」という言葉が出てきたのだという。
この他にも、短歌の生まれるストーリーがとても楽しい本だった。
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