
長い間、ずっと気になっていたこと・・・・。「オオカミ少女アマラとカマラの話」の真贋だ。
「オオカミ少女アマラとカマラ」は有名な話なので、説明は必要ないかもしれないが、こんな話である。インドでシング牧師がオオカミの巣から助け出したふたりの少女の物語で、ふたりは助け出されてから、長い間オオカミのように行動をするが、しかしシング牧師の手厚い看護によってだんだんと人間を取り戻していく。
この物語は「人間はオオカミに育てられると狼になってしまう、だ
から人間には教育が重要である」という風に、あるいは「人間は白紙の状態で生まれ、人間社会の教育により人間になっていく」という教育の重要性を訴える事例としてよく使われる。
私が気になっていたのは、ある時にこの話は嘘だ。ということを本で読んだからである。でもそれから、講演会などでも、大学の教授がこの話を例話として使っていたこともあるし・・・・・・。この「アマラとカマラの話」は本当のことなのかどうか・・・ずっと気になっていたのだった。
それが、今日読んだ本(「面白くて眠れなくなる理科」 左巻健男著) に明快に答えが書いてあったのだ。
シング牧師は「カマラは、夜行性で夜に目が光り、生肉しか食べない」と記しているが、動物学者の小原秀雄さんは「オオカミは人間が飼育すると昼間に行動するようになるし、人間の目は、しくみからいって夜に光るようにはならない。」と指摘する。また生肉しか食べないこともなく、「オオカミの乳では人間の子供は育たない。オオカミの乳と人間の乳では成分に違いがありすぎるし、オオカミの成長は早く、半年くらいで大人になるが人間の赤ちゃんは同じ速さでは育たない」と指摘している。
この本では、シング牧師周辺の人物や同じ教会で育った子供(アマラカマラを見た人たち)などの社会的な調査や、動物学の観点から「オオカミ少女」の話は「つくり話」であることが証明されている。ずっと気になっていたことが分かってとてもスッキリしている。