
「規矩」(きく)とか「規矩術」(きくじゅつ)とか聞き慣れない言葉を図書館の本棚で見つけた。規矩というのは大工道具の差し金やコンパス、墨壺などを指し、規矩術というのはそれらの道具を使って、材木に印を付けて柱を切る事を言うらしい。なぜ大工さんが読むであろう本を見つけたのかというと「規矩」の中に私の名前に使われている漢字が含まれているからなのだ。
例えばどんなに騒がしい中でも、あるいはウトウトしていても自分の名前が呼ばれると、ハッとして気付くことが出来るし、同じように、自分の名前の漢字を見つけると気になって仕方がない・・・・そんなものではないだろうか??人は違うかもしれないけど、私にはそんな気質があり、図書館にあったこの本を手にとって見たのだった。
勿論、大工さんみたいに柱を切ったり組み立てたりするために、この本を読んだわけではないのだが、たくさんのことを知り、また考えた。
規というのは「コンパス」のことを意味してるのだそうで、
矩というのは曲尺(曲金)のことを意味しているのだそうだ。その二つの道具や墨ツボなどを駆使して柱を測り、切り、組み立てて家を作るのだ。特に曲尺は本当に便利な道具で、上手に使うと丸太の直径を測ったり、屋根の勾配を作ったりすることもできるのだ。
私はこの本を読んで「定規」という漢字は「縄木」が転じて「定規」になったのだ・・・と確信した。縄(縄とか紐とか糸)あるいは「木」が直線を引く道具なのだ。広い運動場に直線を引くのは紐が便利だし(大工さんは長い柱に直線を引くときには墨ツボの糸をピンと張って直線を引く)、昔はまっすぐな線は製材した「木」くらいしかなかったのではないのだろうか??
また個人的なことだが、私の名前に入っているのは「規」(コンパス)の字なのだが、息子の名前に円に関わる字が付いている。私は自分の名前の「規」の字がコンパスの意味があることを知らずに息子の名前を付けたからだ。知らずに付けたのだから奇跡だとしか言いようがない。