今日から12月だ。花札の札は「桐」だ。桐の花は12月には咲かないのに・・・・。12月は1年の最後の月なので「これっきり」からとって「桐」にしたのだという。
私の以前住んでいた家の裏には桐ダンスの職人「カズさん」が住んでいて「桐ダンス」を作っていた。小さな頃には飽きずに仕事ぶりを見ていた。よく覚えているのは、「カズさん」はボンドを使わずにご飯粒を練って接着剤を作ったことだ。
またよく「桐ダンスは、引き出しを閉じると他の引き出しが飛び出てくる。」と言ってその気密性を自慢して見せてくれた。桐の木は湿気や割れや狂いの少ない木として有名だ。またとても軽い木材なので箪笥の材料として最適で、昔の人は、女の子が生まれると桐を庭に植え、その子が結婚する時にその桐で箪笥を作り嫁入り道具にするという風習があった。
私が中学校の2年生の時に、技術家庭の授業で椅子を作った。時数が足りず、残った部分は夏休みの宿題となった。家で作っていたのだが、臍(ほぞ)の部分が上手くいかないので、「カズさん」の仕事場に持っていって教えて貰おうとしたら、最初は教えながら作ってくれていたのだが、そのうちにどんどんと自分で仕事を進めてしまい、全くタンス職人の作った凄い出来映えの椅子が完成してしまった。2学期になって提出すると、技術家庭のK先生はニヤニヤ笑っていた。恥ずかしい思い出だ。
また12月を師走ともいう。師=御師→お寺や神社などへ参拝しに来る人々のことで、12月は大晦日や初詣などがあり御師が一番忙しい時期なため(御師)が走りまわるという意味で師走という説がある。また師=お坊さんという説もあり、こちらは、年末になるとお坊さんが家に来てお経をあげる。そういったことで12月はお坊さんにとってはお盆のように忙しい時期なので、師走というと言う説もあるらしい。師=学校の先生で、年末になると日頃落ち着いている学校の先生も忙しく走り回る月だという説もあるそうだ。いずれにしても忙しい月になりそうだ。
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