2015年2月8日日曜日

太郎を眠らせ ( Meaning of the poem )

太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。

三好達治の「雪」と言う詩。中学生の時にも(ひょっとしたら高校生になってからも)教科書に載っていて授業で習った記憶があるのだが、その記憶は「この詩はどういう意味なんだ。」という記憶なのだ。今でも同じで、どんな意味なんだろう・・・・?

記憶をたどると、先生がこんなことを言った気がする。わずか2行の詩で、雪ふりつむ、雪ふりつむ・・・・とくりかえすと、屋根のつながりや幼い子供が寝息を立てて寝ている静かな雪の景色が頭に浮かんでくる・・・・。だから何だよ!!と思っていたのだが、小心者の私は先生に質問できずに今まで過ごしてきた。
新聞に日曜版が付いて来て、この詩を特集していた。読んで納得だったので、私と同じように小心者で、国語が苦手だった人のために日曜版を分かりやすく転載することにした。(笑)

まず、太郎と次郎は兄弟なのか??だとしたら何故別の屋根の下にいるのか??二人の居場所について「舞鶴と大阪ぐらい離れていたであろう。」と見た人がいる。有名な画商の佐谷和彦さんである。
作者の三好達治はまだ小学生になる前に舞鶴にいたことがあるのだそうだ。大阪の生家から舞鶴の家具商へ養子に行くことになったのだ。舞鶴には少しの間過ごしたのだが、結局養子縁組はならず三好達治は兵庫の祖母に引き取られた。そして、その舞鶴の家具商に養子として迎えられた人の長男がほかでもない画商の佐谷和彦さんなのだ。
佐谷さんは著書「画廊のしごと」の中で、舞鶴にいた頃の三好達治が「幼い頃には眠られない一夜もあっただろう。その体験が詩の源泉となった」と記している。舞鶴の地にも、遠く親兄弟が暮らす大阪にも雪はふりつむ。寂しさも悲しみも包み込む雪、そして眠りは彼らにとって限りない慰謝なのだ。

長い間、心の底に不思議だと思っていたことが何となくわかり、とても嬉しい。

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